賃貸物件を探す時ネットだけでいいのか?

令和4年の現在、不動産物件を探す人の大多数はネットを利用して部屋探しをする。

駅前にある数件の不動産屋を探し回るなんて人はほとんど存在しない。

ネットに詳しくない老人はどうするかというと、実は彼らは子供に頼むので、

結果としてほとんどの人がネットで部屋探しをしているのだ。

不動産サイトの二大巨頭は、間違いなくSUUMOとホームズである。

実感としては、SUUMOがナンバーワンで、周回遅れでホームズ、

それ以外は、どこもそんなに違いがないというのが実態ではないだろうか。

ではこれらのポータルに掲載されていない物件はあるのだろうか?

答えは「ある」だ。

ただし、それはほとんどない。実際にお客さんを見つけることのできる

不動産会社ほど、SUUMOなどのポータルサイトを中心に営業しているからだ。

別の見方をすると、駅前で立派な店舗をかまえている不動産屋でも、

彼らのホームページの知名度など、ほぼ無いからである。

理屈で説明すると、①ほとんどの人はネットで部屋を探す。

②店舗前の広告で物件を探す人はほとんどいない。

③駅前で大きな店舗でもネット上の知名度はかなり低い。

④よって、彼らがお客様を見つける手段は大手ポータル(SUUMO等)に

集中されるからなのである。

ネットに出ていない賃貸物件の割合

よって不動産屋がネットに掲載しない物件というのは極少数で、

すでにお客様候補が存在している物件に限られるのである。

つまり、以前に「~という条件の部屋が出たら連絡ください」

といっていた顧客がいる場合である。でも、そういうお客様は少数である。

こういう例があった。生活保護受給者の80歳の男性で、

「現在住んでいる物件が二階なので、近所に同条件で一階にある物件が出たら

教えてほしい」といっていた人である。この条件に合う物件が管理物件に

出たので、この場合には大手ポータルに出稿しないで、すぐに決定したわけである。

いずれにしても、こういうことは少数である。なぜなら、多くのケース

そんなに待つことができる人は存在しないからである。

その建物の全ての賃貸物件が掲載されているわけではない

例えばあるマンションの201号室だけがネットに掲載されていたとする。

実際に現地にいってみると、実は302号室も、405号室も空室だったという

ことはよくあるのだ。

これはどういうことかというと、複数の部屋が空いていても

ネット掲載では1部屋しか掲載しないという不動産会社がけっこうたくさん

存在しているからである。

理由は二つある。掲載料が余分にかかってしまう(SUUMO等は有料である)のと、

たくさんの部屋が空いていることがわかると、

「この建物に何か問題があるのでは?」と思われる可能性があるからである。

最近見た実例では、全40部屋ある大型の築浅マンションで、

なんと25部屋空室だった物件があった。

新築で綺麗で魅力的なのであるが、新築ゆえに家賃相場が近隣より高く、

結果として空室ばかりになっていたのである。

この物件は、広告では1部屋のみ空室ということになっていた。

ネットの情報というのは、正確なようで、実はそうでもなかったりするのだ。

考えてみるとわかるが、すべての情報は最初アナログである。

それがデジタルに変換され、ネット情報になるのだ。

アナログ情報のまま決まってしまう物件も相当数存在しているのである。

不動産物件を探すことは人気アーチストのライブチケットを探すことに

似ていると思う。

人気チケットはまずは関係者に優先的に配布され、残ったものを一般のお客に

売るという流れになっているわけである。

つまり、どんなに徹夜して優先的に良い席を取ろうとしても、一番前の席が

一般に出回ることはほとんどないわけである。

賃貸不動産物件の場合、いい物件だからといって値段をあげたりはしないが、

一般に販売する(ネットに掲載する)前に、店頭に来たお客様にだけしか、

情報を流さずにする場合もあるわけである。

ネットに掲載しないのは大家さんへの背信行為?

でもこれはよく考えてみると、大家さんにとっては背信行為でもあるのだ。

大家さんは、一日でも早く物件を決めてもらいたいから、そんなことをする不動産屋

と取引などしたいわけがないのである。

よって、現在ではそういうことをする不動産会社は結果的に減少しているのであるが、

0ではないのである。

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