契約前の審査で苦労している人は多い・・・・
部屋を何回か借りたことがある人は、審査が意外に大変なことを
感じているはずだ。
その物件に入居したいと思っても、審査を通らなければ借りることは不可能なのである。
審査には大きくわけて2つある。
一つ目は、大家さんによる審査である。
男性限定、女性限定、外国人NG、高齢者NG、単身者限定、生活保護NG
など、大家さんが出す条件に合わない人は、基本的に入居できないのである。
これはなんかおかしいと感じる人も多数いると思う。
法律的には、法の下の平等に違反していると思われるこれらの差別的な
対応も、なんとなくうやむやになっていて、結果として
容認されているのが実情である。
入居までは、大家さんの意向が最大限まで尊重されてしまうので・・・
明らかな差別的な見解といえるかもしれないが、
その代わり、日本において借主は明白に貸主よりも強力な法的な権利を持っているので、
入居するハードルは高くても、一回契約をして入居してしまうと、
借地借家法などの法的な根拠により、借主の権利は大幅に守られるのである。
そういうこともあって、入居するまでの審査だけは大家さんはかなり厳しくするのである。
いずれにしても大家さんの一次審査を通っても、次に大きな関門があるのだ。
最大の関門:保証会社による金融調査
二つ目は、保証会社による審査である。
入居者に十分な支払い能力があるかどうかを調べるのと、
クレジットヒストリー調査である。過去に家賃や、クレカの滞納がないかを
調べるのである。そして、その人が十分な支払い能力があるか、
給与などについて調べるのである。
令和3年の日本の状況でいうと、90%以上の物件に保証会社による契約が必須となっている。
保証会社は、大家に代わって、家賃の保証をしてくれるわけである。
もし、借主が家賃の支払いを滞らせると、大家ではなく、保証会社が
取り立てを行うのだ。
ゆえに、保証会社の審査を通らないと、契約は不可能なのである。
保証会社によって違う審査の難易度
実は、この保証会社には数多くの会社があって、その会社によって、
審査が厳しかったり、緩かったりするのである。
どこで判断できるかというと、その保証会社が設定している保証料金で、
ある程度判断できるのである。
保証会社に契約の最初に支払う保証料は一般的に家賃の50%である。
つまり、家賃が10万円なら、5万円を初年度に保証会社に支払うのだ。
翌年からは、年間に1〜2万円程度を借主が支払うのが一般的である。
この保証料が高いところは、一般的に審査が緩めである。
例えば、ある保証会社は、保証料金が家賃の1ヶ月分を要求したりするが、そのかわり、
審査が緩めだったりするわけである。
逆に、保証料金が家賃の20%なんていうところもあるが、こういう場合は
かなり審査も厳しくなるわけである。
借主の年収などを確定申告の源泉徴収票などで確認し、十分な年収がないと、
仮に貯金が数千万円あったとしても、審査に通らなかったりする場合もあるわけである。
そして、どの保証会社を選択するかは、大家さんの自由なのである。
高額な物件で、ステータスの高いといわれるところにある物件は、大家さんが意図的に
審査を厳しくし、彼らが「相応しくない」と考える人は入居を断る傾向が高いのである。
そのためにも、厳しい保証会社を使用するわけである。
「まさかこんな人が審査に落ちるなんて」ことも日常茶飯なのである。
保証会社も大家さんも、審査に落ちた理由を語ることは基本的にはない。
それを説明する法的な義務もないのである。
審査に落ちるというのは気分のいいものではないので、絶対にそういう目に会いたくない
という人がいれば、事前に相談してほしい。
できるかぎり、審査の問題がない物件を紹介することも可能である。
生活保護受給者であれば、むしろ審査は通りやすい
先日、こういう実例があった。過去にクレジットカード滞納の履歴があり、
なおかつ財産がほとんどない人であったが、
生活保護の受給が決定したことにより、保証会社の審査に通ったのである。
考えてみるとわかるが、生活保護というのは、とても安定した収入源であり、
保証会社からするとむしろ安心して保証できる存在なのである。
「蛇の道は蛇」という諺があるが、なんでも相談してもらいたい。
必ず、道はあるのである。