ほとんどの不動産仲介業者は仲介料1ヶ月分
賃貸物件物件を契約しようと思い駅前の不動産会社に行くと、
多くの場合、仲介料は1ヶ月分である。たまに、「当社は仲介料半月分です」
という店も存在するが、少数である。
大手では、「エイブル」や「ミニミニ」などが仲介料半月分を実施しているが、
ほとんどの会社は仲介料は1ヶ月分である。家賃10万円の物件であれば、
通常なら仲介料10万円、半月分でも5万円が必要なわけである。
この話は常識のように考えられているなかで、なぜ、仲介料無料（もしくは2万円）
という事が可能なのであろうか？
不動産仲介会社の儲けのカラクリ
不動産会社と一口にいっても、実は、大きく分けて３つのタイプの不動産会社が
存在しているのをご存知だろうか？
不動産売買を中心に行っている不動産売買会社、不動産賃貸仲介を中心に行っている
不動産仲介会社、そして不動産管理業務を行っている不動産管理会社である。
店頭に賃貸物件の情報を貼っていたり、SUUMOなどのポータルサイトに
賃貸物件の広告を出稿しているのは、不動産仲介会社なのである。
不動産仲介会社は、不動産仲介料だけが、唯一の収入なのだ。
火災保険料や、鍵交換料などは、すべて管理会社の収入なのである。
つまり、仲介料が0円では経営は成り立たないのである。
家賃10万円の家賃で、仲介料が1ヶ月分なら、収入は10万円、
半月分なら5万円が収入になるのだ。
では、なぜ無料でも経営できるかというと、大家さんから広告費という名目で、
追加でもらえる場合があるからなのである。
この広告費が出ている物件の場合には、仲介料無料でも利益を出すことが
できるのである。別の角度から見ると、仲介料無料だけの仲介業者というのは
広告費付きの物件だけを扱っているわけで、そうでない物件は扱っていないという
ことを理解しておくことも重要である。要は物件数が少ないのだ。
仲介料無料か2万円と謳っている業者は、広告のない物件も扱っているので、
幅広い物件から選びたい人には、オススメなのである。
大家さんからの広告費とは何なのか？
そもそも何故、このような「広告費」という仕組みがあるのだろうか？
これは簡単な話で、大家さんが一日も早く物件を決めたいので、
仲介会社にやる気を出させるために出しているお金だからである。
仲介会社の立場になってみると、広告費というインセンティブがついている物件と、
そうでない物件で、どちらを真剣に売ろうとするかは自明である。
その金額は、概ね家賃の1ヶ月分である。半月の場合も、３０％という
場合もあり、２ヶ月分というケースもある。
広告を出さないで半年間空室が継続するより、広告を出して１ヶ月以内
に決定するのでは、経済合理性からも正しい手段であるともいえるのだ。
広告費がついている賃貸物件の割合について
全ての物件に広告がついているわけではなく、広告費が０円の物件も
多数存在しているわけである。
明確な数字が存在しているわけではないが、東京都内にある賃貸物件の場合、
だいたい６０％くらいの物件に広告費がついているといえるだろう。
この世は競争社会であり、競合との競争に勝ち抜かない限り、企業の存続は
ありえないのである。考えてみるとわかるのであるが、多くのユーザーが無料で
使用しているSUUMOなどのポータルサイトに出稿している仲介会社は、
すべて掲載料という広告料を支払っているのである。
自分たちが高いお金を支払ってまで出稿している仲介物件の利益を１円でも多く
欲しいと思わない業者は存在しないのだ。
ゆえに、多くの物件に大家さんは、広告料を支払っているのである。
資本主義社会における当然の行為ということもできる。
仲介会社が利益を削ってまで、仲介料を割引する理由
仲介会社には、１円でも多く儲けたいわけである。
通常であれば、仲介料として１ヶ月分や0.5ヶ月分もらえるのに、それをもらわないで、
無料でやるメリットは、薄利多売である。
利益率は減っても、その分売上が増加すれば、トータルでみると利益が確保できるからである。
つまり、仲介料無料を実現するためには、売上増加が前提となるのである。
1件あたりの利益率は減っても、売上が増加することができれば、トータルの利益は増える
わけである。ブランドモノのバックを百貨店で購入するより、
ボンキホーテなどのディスカウントショップで購入するほうが安いのと、
同じような仕組みであると考えて欲しい。
大手不動産仲介業者でなければ不安？
テレビや新聞などで広告を実施している大手企業であれば、なんとなく安心感というのは
あると思う。これは間違ってはいない。少なくとも、ある一定の広告費を出すことができる
くらいの経済的な余裕のある企業であることは事実である。
では、小さい不動産仲介会社は問題があるのか？
特に、心配されるのが、何か問題があった時に費用が弁済されるのかどうか
という不安であると思う。実は、こういう心配はかなり低いのである。
なぜなら、宅建業を営むには、大企業であろうが個人であろうが、すべて
営業保証金か、弁済業務保証金を、保証協会などに納める義務があり、
何か問題が起きた時に消費者は、損害金を弁済してもらうことができるからである。
世の中に存在する多くの商売は、特別に許可を得なくても、
開始できるものがほとんどである。
しかし、宅建業には厳しい規制がたくさんあり、それらをクリアした個人、法人だけが
営業できるもので、小さい会社だからといっても、他の業種とは状況が異なるのだ。
ゆえに、会社の大小はあまり気にしなくてもよい言う考えも成立するのである。
仲介業者選びで、大切なのは担当者の質
不動産仲介という業務には、モノは存在しない。
スーパーで商品を購入するような商取引とは全く異なるわけである。
契約した後に、何らかのトラブルに巻き込まれでもすれば大きな損害である。
よって、仲介業者の質に関しては大きな意味があるわけである。
値段は安いが、対応がよくないのであれば、それは論外である。
大手だから安心だとか、中小だから不安というのは、当てはまらない。
その担当者が優秀かどうかが、とても重要なのである。
大きい会社にも対応のよくない社員も多数存在するし、
小さい会社でも、本当によくやってくれる社員も多数いるわけである。
とにかくメール、電話、LINEなんでもいいので、疑問に感じたことは
どんどん質門すべきである。そういう対応の中で、
できる仲介会社か、そうでないかはすぐにわかるものである。
直感というよりも、第1段階の接触した感触で、判断すれば、
いいと思う。対応がよくなければ、迷わず、他の会社を探すべきである。
まとめ：賃貸物件無料の業者をうまく利用する
説明してきたように、仲介料無料には、特別なカラクリがあるわけではなく、
単に仲介業者が利益率を減らしているだけの話なのである。
安くなってサービスが悪くなるようでは言語道断である。
もし、安いからといって手を抜くような態度が表面化したら、即刻その業者と
は取引中止にすべきである。
まずは、格安仲介業者を探すには、ネットで探すしかないのであるが、
グーグルを使用して、複数の格安賃貸仲介業者を探すことをオススメする。
安くて、しっかりときちんと対応してくれて、どんな質門にも答えてくれる
業者を選ぶことができれば、引越し費用を大幅に減らすことも可能なわけである。
積極的にトライしてみて、無駄な出費をできるだけ減らし、
余ったお金を有意義なことに投資してもらうようにしてもらいたいと思う。
