いい賃貸物件はすぐに決まってしまう
当たり前のことである。
一目見て、いい物件は、すぐに決定してしまう。
なぜならいい物件は本当に少ないから。
駅から近くて、静かで、便利で、広くて、きれいで、賃料が安い物件はすぐに決まってしまう。
内見をしてすぐに申しこまないと、翌週にはまず、決まってしまうものである。
複数の物件を見た人は知っているが、「いい物件」は本当に少ないからだ。
住居用いい賃貸物件の定義とは
それでは、いい物件とはどういう物件のことをいうのか?
いい賃貸物件の最も重要な要素は、静寂性であると思う。
ようは、静かであることである。夜寝るときに、眠れないような騒音がある物件は
いい物件とはいえない。多くの人は、自分の部屋で過ごす時間の中で最も多いのが
睡眠であるわけである。熟睡するために最も重要なことは静寂性である。
目の前に首都高速が走っていたり、国道が走っていたりする物件の低層階は、
大きな騒音でとても寝られたものではない。
こういう物件の多くには、二重サッシが使用されていたりするが、
二重サッシは気休め程度であると考えたほうがいい。
自動車の騒音はそう簡単には防ぐことができないのである。
静寂性が担保された上で、陽当たりもよく、設備も整っていて、価格も妥当な物件が
いい物件である。調べてみるとわかるが、そういう物件は本当に少ないことがわかるはずだ。
複数の申込み人がいる場合の決定方法
人気物件であれば、複数の申込みが同時期になることもよくある。
人気の新築物件であれば普通のことであるが、賃貸物件で複数の人が同時に
申し込むということは稀である。
そういう場合、どういうプロセスで決定するかというと、
「当社は先着順です」といっている場合は、たいてい眉唾である。
売買物件と異なり賃貸物件はその後の管理が大きな問題となるため、
入居者の品定めにはかなり気を使うからである。
例えば、同時期に、大手企業の会社員と、フリーランスの人が申し込めば
90%以上の確率で、大手企業の社員と契約することになるのだ。
そしてフリーランスの人に明確な理由が説明されることはないのである。
よって、すでに申込みが入っている物件に、2番手で申し込むとするなら、
ご自身のプロフィールに自信がある場合には、可能性があるが、
そうでない場合には、諦めるほうが時間の無駄にならないですむわけである。
申込みと、契約は違うことを理解する
人気物件の場合、入居不可能な状況でも、申込みを開始する場合がある。
1ヶ月後に退去する予定で、現在居住中の物件などである。
原則として内見はできない状況であるが、申込みが可能な場合がある。
早めに申し込んで安心していると、他の人で決定しましたという連絡が
入ってしまう場合もあるのだ。入居者の中には、申込みをして内見をしないで
契約してしまう人もいるからである。
そういう場合、申込み順位は関係なく、早く契約した人で決定してしまうのだ。
人気物件でたまにこうおいうことが起きる。
具体的な審査の流れについて
賃貸保証会社による審査
一昔前であれば、入居者が家賃を支払えなくなった時に、代わりに支払ってもらう
連帯保証人を立てることが普通だったが、現在では90%以上の場合、
賃貸保証会社を利用して契約するようになっている。
大手の保証会社では、日本セーフティや、日本賃貸保証などの会社がある。
これらの会社により、入居者のクレジットヒストリーなどが調べられ、
過去に問題を起こしていないか、現状十分な収入が見込めるかなどが
調べられるのである。審査には思った以上に時間はかからない。
早ければ数時間で、審査結果が出る場合も多い。
大手企業に勤務していても、クレジットカードの支払で滞りがあったり、
過去に家賃の不払いがあったような場合には、審査に落ちるケースもある。
また、過去に不払いなどの問題がなくても、フリーランスで前年の収入が
それほど多くなかったりすると、同様に審査に落ちる場合もある。
審査はシンプルで、通ったか、落ちたかの連絡のみで、具体的な理由が開示される
ことはない。
大家さんによる審査
金融的に問題がないと保証会社から連絡があると、次に、大家さんへ
連絡がいくわけである。これは同時並行で行われることもあるので、
注意が必要である。大家さんに「こういうプロフィールの人なのですが
いかがでしょうか?」と聞いてみるわけである。
大家さんによっては「外国人、子供連れ、お年寄りはNG」などと、
具体的に指定してくる場合も多くある。
ある意味、人権侵害とも言える行為であるが、現状の我が国の法律では
グレイゾーンではあるが、ある程度認められているわけである。
無論、そういうことを堂々と主張すると、問題になるので、理由を告げずに
断るというのが一般的である。
特に昨今、借地借家法などの改定があり、入居者に対する手厚い保護が
法律上保証されていることもあり、一旦入居してしまうと入居者には
強い権利が発生し、そう簡単には大家さんサイドから解約することは
不可能なのである。そういうこともあり、多くの大家さんは、問題が起きそうだと
彼らが判断したタイプを人を拒否する傾向が強くなっているのである。
内見は平日にして、週末前に決定するのが理想
実際には、90%以上の人が、土日に内見をするわけである。
ゆえに、人気物件は週末に決定してしまう場合がほとんどである。
日曜日の午後に内見をして、その夕方に申込をすると、
「すみません決定してしまいました」なんてことがよくある。
これは、土曜日の午前中に内見した人が翌日に申込をしたような場合である。
不動産物件の申し込みは、数枚になるけっこうな量の申込書に記載してからでないと
申し込めないので、作成までにけっこうな時間がかかるわけである。
不動産管理会社の人間も商売なので、「実は昨日、申込可能性の高い人が内見しました」
なんてことは口が裂けても言わないのが普通である。
こういうことを避けるためには、月~水くらいに内見をして、
金曜までに申込をすることをおススメする。そうすれば高い確率で契約可能だからである。
80点以上なら即決することをおススメする
選ばなければ、いくらでも物件はあるのである。
間違いなく、需要と供給でいえば、供給のほうが多いのである。
ゆえに、駅から遠くて、きれいでなくて、静かでもなく、安くもない物件は
かなり長い間空き家になる可能性が高いのである。
もし、80点以上なら、即決することをお勧めする。
その後に、80点以上の物件が出る可能性は5%もないだろう。
いい物件に住みたいのであれば、
決定を早くすることである。
賃貸物件探しは恋愛とは違う。
基本的に早い者勝ちだからである。